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バブル崩壊後、年俸制と成果主義という言葉が流行りはじめた。私は年俸制と成果主義には反対している。なぜなら、制度自体あまりすきではないが、年俸制と成果主義を唱えている学者やコンサルタントが主に使う批判対象が、年功序列だからだ。私は今まで110社以上の大企業と関わってきているが、年功序列の会社は1社もなかった。年俸制と成果主義を唱えている学者やコンサルタントが主張する年功序列の問題は、そもそも事実認識が間違っている。ある程度の長い歴史をもち、生き延びてきた日本企業の人事システムの本質は、“給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステム”なのだ。これは、仕事の内容がそのまま動機付けになるという内発的動機理論からみてももっとも自然なモデルである。仕事の報酬は、“給料ではなく、次の仕事である”というのが、一般的な日本の会社の考え方だったのである。年功序列を日本の人事システムとして考えるのは間違いなのだ。成果主義を導入したある大手企業は、実は導入6ヶ月でやめてしまった。成果主義で成功している会社を私はいままでみたことがない。●講演テーマ:成果主義を廃し、日本型年功制の復活を●講演者:高橋 伸夫氏(東京大学大学院教授)【2005年01月第3週週発売】【プロフィール】高橋 伸夫(たかはし・のぶお) 1957年生まれ。80年小樽商科大学商学部卒、84年筑波大学大学院社会工学研究科を退学。東京大学教養学部助手、東北大学経済学部助教授、東京大学助教授などを経て98年から現職の東京大学大学院経済学研究科教授。著書は「虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ―」(日経BP社)「組織と意思決定」(共著=朝倉書店)「超企業・組織論」(編著 =有斐閣)「日本企業の意思決定原理」(東京大学出版会)など多数。
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